世界各国にロングステイする 「香港」編
前回に引き続き各国にロングステイの方法について記載します。
今回は香港です。
香港は1997年に返還されて以来は中国なのですが、正式には中華人民共和国香港特別行政区といい、香港特別行政区基本法により高い自治権限を有しています。
もちろん、それはかつてイギリスの植民地だったという歴史に依るものですが、現在でも資本主義であり、通貨も元ではなく香港ドルです。
現在、アメリカと中国で報復措置として関税を高く掛け合っていますが、香港は関税ゼロ&低税率を貫き、世界屈指の金融センターであり、かつ、タックスヘイブンです。
もちろん、世界的にプレゼンスを増す中国本土との経済的つながりは強く、人種も華人が9割以上ですが、外国企業、外国人を積極的に受け入れる土壌があります。
また、中国ではインターネットの検閲を政府が行っていますが香港は統制、監視の対象外となっています。
つまり、香港は中国本土の旺盛な経済成長の恩恵も受けながらも、西側諸国のルールを承継し、自由な財政政策によりさらなる投資を集め、世界各国のトップクラスのビジネスマンが集まる最先端の都市なのです。
さぞかし香港にロングステイしたらカッコイイのでしょう。
香港にロングステイするには
香港のビザ制度は中国と別物ですが、投資ビザという制度があります。
ただし、投資ビザとは言っても、正確には「for investment as entrepreneur」で経営者のためのビザとなります。
ですので、その人が香港で就労できる要件を満たしているかを見た上で、その人の会社が香港経済に貢献できるかを判断することになり非常に取得難度は高いです。
申請にあたっては、個人資産の他に事業計画や雇用計画、ビジネスの将来性などの開示が要求され、職業経歴や銀行口座等の財務状況に関する書類、監査報告書や決算書に、投資計画の詳細等の書類を提出します。なおかつ保証人も必要になります。
様々な審査をくぐり抜けるとビザが下りますが、初回は2年間のビザで、その間に会社業績に問題がなければ3年の延長ができ、連続7年以上で永住権の申請が可能になるとのことです。逆に、会社業績が悪いと延長後の期間が短縮されたりします。
かなり高いハードルですが、考えてみれば香港は土地が狭い上に人口が密集しているので、定住してもらうより、観光を目的に短期で来てもらったり、数年単位での就労だったり、もしくは様々なスキームの中で香港を利用してもらう方がお互いにとっていいと考えているのかもしれません。
また、日本人であればノービザで90日まで滞在でき、距離も近く、フライト本数も多いので、ロングステイや永住のニーズはそんなに多くないのかもしれません。